耐水、撥水、防水…。 スノボウエア選びで重要な素材知識

耐水、撥水、防水…。 スノボウエア選びで重要な素材知識

記事更新日: 2019-12-15

耐水、撥水、防水。 スノボウエア選びで重要な素材知識

スノーボードは、厳しい自然環境の中で激しく運動するスポーツ。

そのため、スノボウエアには寒い屋外での「保温性」に加え、雪が降っているときの「防水性」や「撥水性」「耐水性」、また運動による汗を逃がすための「透湿性」など、さまざまな機能が求められています。

しかし、近年のスノボウエアには繊維メーカーの研究努力による優れたマテリアルが採用され、とても着心地がよく快適になっています。そこで、間違いのないスノボウエア選びをするために、素材の知識を深めていきましょう。

 

防水、撥水、耐水、何がどう違うの?

スノーボードウエアに求められる機能として、誰もが思い浮かべるのは「防水性」「撥水性」、また「耐水性」といったような要素。それぞれは一見似たような言葉ですが、これらは何が違うのでしょうか。3つとも「水分に対する強さ」に関係する機能ですが、実はその意味は異なっているのです。

「防水性」は、生地の内部に水分が侵入してこない性能のことをいい、生地の隙間を埋めることで、水圧をかけても水分の侵入がないようになっています。たとえば、ビニール製のレインコートは、水分の透過が事実上ゼロなので、「防水」という意味では最強です。しかし、逆に透湿性もゼロということになります。内部が蒸れてしまいますから、防水性能だけを備えたスノーボードウエアでは、お世辞にも快適な使用感は得られません。

「撥水性」は、生地表面の水分をはじく性能で、生地の表面や繊維(糸)に加工を施しているものです。比較的通気性が保たれるので蒸れにくいのですが、この機能は加工によって得られるものなので、洗濯や経年使用によって性能は低下します。撥水効果をもたらす加工には「シリコン系加工」や「フッ素系加工」などがあり、どちらも生地の表面にごく薄い膜を張って水分をはじきます。

「耐水性」は、その名の通り「水分に耐える強さ」のことで、「耐水圧」という言葉で表されます。計測は1平方センチメートルの筒から水を生地に当て、水滴が生地の裏側に染み出したときの「水を落とした高さ(mm)」で耐水圧が決まります。わかりやすい基準としては、小雨で300mm、普通の雨で2,000mm、大雨だと10,000mmといったところでしょうか。多くのスノーボードウエアには耐水圧表示がされているので、これを参考にすると、そのウエアがどれだけ「水に強いのか」がわかります。

この3つのほか、「透湿性」も重要なポイントです。耐水性が「外部からの水をカット」する性能なら、透湿性は「内側から水分(蒸れ)を逃す」性能。スノーボードウエアにはこの相反する両方の性能が欠かせません。

 

代表的な繊維素材「ゴアテックス」について知ろう

スノーボードウエアに限らず、繊維製品の分野で防水透湿素材の代表格といえるのが「ゴアテックス」。アメリカのWLゴア&アソシエイツ社の商標名で、アウトドア系衣料からテント、シューズ、グローブ、バックパックなどにも広く使われ、高品質の代名詞ともなっています。

実は、ゴアテックスには「GORE-TEX PRODUCT」「GORE-TEX INFINIUM」という2つのラインがあります。後者は比較的ドライな環境下に適応する素材なので、スノーボードウエアに採用されるのは、ほぼ「GORE-TEX PRODUCT」となります。

ゴアテックスのテクノロジーは、フィルム、ポリマーなど異なる素材をラミネートしてレイヤー構造とし、「内側からの水蒸気は逃すが、外側からの水分は通さない」ようにしたもの。ゴアテックスが定めた厳密なテストを日本ゴア社が実施し、その基準をクリアした製品だけが「GORE-TEX」のタグをつけることを許されます。

 

株式会社ゴールドウインご担当者様にゴアテックスのテストの厳しさについて伺いました。

耐水、撥水、防水。スノボウエア選びで重要な素材知識
テストは、マテリアルテスト(ラミネートが基準通りに機能するかどうかを保証するために実験室内で行なわれる素材の一連のテスト)、ヒューマンテスト(人が製品の手触りや着心地を、感覚を含めて判断するテスト)、フィールドテスト(実際のフィールドおよび使用環境下で専門家によって行なわれるテスト)の3段階です。また、ジャケットを例に取ると、サンドペーパーで生地をこすったり、意図的にねじったり引っ張ったりするテストも行なわれます。さらに、実験用のレインルームで小雨から暴風雨までのあらゆる気象条件を再現して性能が試されます。これらは非常に厳しい基準で実施されるので、ウエアメーカーにとっては製造に一切の妥協が許されません。

 

なお、ゴアテックスと同様のコンセプトで開発された素材としては、コロンビア社の「オムニテック」、東レの「Dermizax」、モンベルの「ドライテック」も有名です。こういったメーカーごとのテクノロジーを知っておけば、スノーボードウエア選びもぐんと楽しくなりますね。

 

冬でもビギナーは汗をかく。蒸れないウエアが欲しい!

スノーボードウエアには「水分に対する性能」と同時に「内部の蒸れを逃す性能」が必要なことがわかりましたね。では、ウエア内側の水蒸気を外部に逃すための性能(透湿性)について考えてみましょう。

透湿性(Breathability)は1平方メートルあたり、24時間で何グラムの水蒸気を透過させるかを示した数値です。つまり、透湿性5,000gという表記は、「24時間で1平方メートルあたり5kgの汗を外部に放出できる」ことを表します。

スノーボードをしているときの一般的な発汗量は、1時間あたり500g前後といわれています。すごい量ですね! これだけの汗がウエアの内部にこもっていたら、とても快適とはいえませんし、気温が下がったときにその汗が冷えたら危険ともいえます。一般的に、スノーボードウエアにおける透湿性は、8,000g程度が必要といわれています。

ビギナー用の安価なウエアだと、透湿性が1,000~2,000gいうものもありますが、そういった製品は透湿性表記すらされていないものがほとんどです。快適で楽しく安全にスノーボードを楽しむなら、透湿性8,000gをキーワードに選ぶとよいのではないでしょうか。

 

厳寒期から春まで快適に過ごせるウエアとは?

スノーボードのシーズンは、日本だと11月下旬から5月連休くらいが平均的。でも最近は、スキー場の営業努力もあって、5月いっぱいもしくは6月になっても滑ることのできる場所もあります。スノーボードは単純に冬のスポーツとはいえない時代になっているといえますね。もちろん、サラサラの粉雪で滑れるハイシーズンは最高の環境ですけれど、新緑の中を滑るスプリングシーズンもまた格別の楽しさがありますよ。

ともあれ、スノーボードが楽しめるシーズン中の気温は大きく変動します。現在のスノーボードウエアは、比較的薄くても十分な防寒性能があり、しかも透湿性に優れていますから、さまざまなシチュエーションに対応してくれます。その上で、防水性と透湿性のバランスが取れたウエアを選ぶことで、厳冬期から春まで快適な着心地が味わえるでしょう。

 

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この記事を書いた人 スキー市場情報局編集部

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