スクールの先生が教えるスノーボードの基本姿勢の３つのポイント

どんなスポーツにおいても大切なのは「基本姿勢」です。

スノーボードでいえば、ボードのどこに重心を置くか（体重を乗せるか）ということ。

「そんなこと考えたこともない」って？

そんなことでは、スムーズに上達することはできませんよ！

ここでは「JAPAN SNOWBOARD ACADEMY たんばら校（たんばらスキーパーク）」のインストラクターさんに、正しいボードの乗り方を解説してもらいましょう。

ポイント1：ボードの真ん中に乗るのが基本！

2本の板に乗るスキーでは左右の足に体重を乗せ換えてターンしますが、スノーボードの場合は1枚のボードの左右。つまり、スノーボードは横向きに乗っているので、ツマ先側（トゥサイド）とカカト側（ヒールサイド）に体重を移し換えてターンします。

ツマ先で立った状態でターンするのは「トゥサイド（フロントサイド）ターン」、カカトで立った状態でターンするのは「ヒールサイド（バックサイド）ターン」といいます。このように聞くと、ビギナーの方でも理解しやすいのではないでしょうか。

これに加えてもうひとつ、とても重要なのが前後のバランスです。基本は、ボードの前後の真ん中に体重を乗せること。といっても、ビギナーがこれを最初から意識するのは難しいかもしれません。

両足均等に体重を乗せるように心がけていると、だいたいボードの真ん中に重心が集まります。体の姿勢としては、膝を軽く曲げて、両手を広げると、よりバランスがとりやすくなりますよ。

ステップアップのためのアドバイス

～まずは落ち着いてボードに乗ることが第一歩～

ビギナーの多くの人に見られるのが、そもそも「立っている」という意識がもてないケース。ボードを装着していないときは、確かに雪面に「立っている」のに、ボードを着けた途端、その感覚がなくなってしまうのです。

一番の原因は、やはり最初の不安感。ビギナーはボードのバランス感覚がまだゼロの状態なのですから、誰だって最初は不安です。まずは落ち着いて何回か深呼吸し、肩の力を抜いてみましょう。

そうして、ちょっと足裏に意識を集中。自分の体重が両足に等しく乗っているかどうかを確認します。また、ジャンプしてみたり、屈伸してみたりと、ボードの上で体を動かしてみると、「立っている」ということをより実感できるようになりますよ。

ポイント2：進行方向前足側にしっかり体重を乗せることを覚えよう！

ボードが滑り始めると、やはり不安感から最初は体が引けてしまいがち。すると、進行方向に対して後方の足に体重が多くかかってしまいます。

こうなると、ボードの前方が浮き上がってしまい、滑走が安定しなくなるばかりか、ターンを開始するのもとても難しくなります。

とくにビギナーはこんな状況におちいりやすいので、うまくターンができないと思ったら、前の足にしっかり乗っているかどうかを意識してみるといいでしょう。

このように前の足に体重を乗せることボードの動きが安定し、ターンを始めることもやりやすくなります。

後ろ足荷重になってしまっている人は、前足が伸びきっていることで、すぐにわかります。逆にいえば、常に前の足の膝や足首を軽く曲げる意識をもつだけで、後ろ足荷重になることを防げるんですよ。

ステップアップのためのアドバイス

～顔を上げてしっかり前を見て滑ろう！～

うまくバランスが保てなかったり、動作がギクシャクしていたりする人の多くは、自分の足下ばかりを見ているものです。自分のボードの動きがつい気になってしまうのでしょう。

でも、下ばかりを見ていると姿勢が悪くなり、逆にバランスがとりにくくなってしまいます。

反対に、常にしっかり前を見るようにしていると、顔が上がって上半身の力が抜けていきます。すると、いろいろな動作がやりやすくなり、バランスもうまくとれるようになってきます。

また、進行方向遠くを見ることで、自然に前足に体重が移動してきます。

ある程度経験を積んだ人でも、視線の向きが大切なのは同じこと。ちゃんと前を見て滑れば視界が広がり、周囲の状況もよく見えるようになるので安全性にもつながっていくんですよ。

ポイント3：姿勢を低くしてバランスをとろう！

急な斜面で滑るときや、スピードが出ているときなどは、不意にバランスを崩さないよう、姿勢を低くするといいですね。ただし、姿勢を低くするといっても、上体ばかり折り曲げるこんなのはNG！

では、正しい姿勢とはどのようなものでしょうか？

それはこちらです。

違いは一目瞭然！　正しい姿勢では、膝が十分に曲げられていて、頭の位置もボードの上に乗っています。一方、悪い例では、頭の位置がボードの外に出てしまっていますね。これではかえってバランスを崩しやすくなってしまいます。

ボードの上で低い姿勢を保つポイントは、体全体をまっすぐ真下に沈めていくような意識で膝や足首、股関節を曲げていくことです。低い姿勢になっても、上半身はリラックスですよ。これで、スピードが出たり、少々急な斜面もOK！

こんな姿勢をぜひ意識してみてください。

ステップアップのためのアドバイス

～動作はなるべく大きく大胆に！～

バランスをとるのも、姿勢を低くするのも、まずは大げさにやってみるというのが大切です。本人はやっているつもりでも、ハタから見ていると意外に小さな動作であることが多いんです。

意識と、実際の姿勢や動作とのギャップですね。というわけで、次のようなことにトライしてみましょう！

緩斜面では、滑りながら体を思いっきり後ろにそらしたり、前につんのめった状態にしてみたり。

また手で雪面を触れるくらい低い姿勢をとってみたり、背伸びするように大きく体を伸ばしてみたりと、滑りながらボードの上で大きく動けるようになれば、いろんな動作を自分で調整できるようになります。

ジャンプやスピンなどのグランドトリックにチャレンジしてみるのもアリ。

動きの幅を広げて、ぜひボードを自在に操れるようになってくださいね！

スノーボードのようなバランスが大切なスポーツでは、基本姿勢がとっても大事！

棒立ちにならず、体がすぐに動かせる体勢にしておくことを心がけましょう。

それと、自分の体重がどこに乗っているのか、常に感じながら滑ることも超重要！　ツマ先側か、カカト側かだけでなく、前後の重心も意識できるようになると、スムーズに上達できるようになりますよ。

【協力】：たんばらスキーパーク
https://www.snow-tambara.jp/
【モデル】：佐藤あかり（エヌウィード）